2010年7月19日月曜日

きっと、だいじょうぶ。:/8 こだわりを抱えて

毎日新聞
こだわりが強くて、生きにくさを抱えている人たちがいる。中村君もその一人。勇君と名前で呼ばれると怒り出す。必ず名字で呼ばなければならない。フレンドリーに差し出された握手にも応じないので、失礼なやつだと相手を怒らせてしまう。ある日、自動販売機でジュースを買った。おつりがたくさん出てきてしまい、彼はパニックになった。販売機にある番号に電話してどなりまくる。「おつりが多すぎて動けない。早く来て、正しいおつりにとり換えてくれ」と。変わり者扱いされてきた中村君が「アスペルガー症候群」という自閉症スペクトラムのひとつと診断されたのは、27歳のときだった。度を越えたこだわりを抱えて生きるのは大変なことだが、臨機応変に対応できない人を理解しようとしない周囲のまなざしが、生きにくさを助長している。

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