2011年4月16日土曜日

「俺は父ちゃんだから、泣くのは『11日』だけ」 障害を抱えた長男の死

MSN産経ニュース 
俺は父ちゃんだから。泣くのはやめよう。そう決めていた。岩手県釜石市の測量会社勤務、佐藤正則さん(55)は震災から1カ月たってようやく、亡くした長男、正樹さん(18)の思い出に浸ることができた。「ふだんは泣けないから。毎月、この日だけは兄ちゃんのことを思い出して泣くよ」 ダウン症だった正樹さんは、12歳から特別支援学校の寄宿舎に入っていた。自活する力を身に付けてほしかったから。震災後、火葬場で正樹さんだけの卒業式をした。「卒業したら、ちゃんと働きたい」。特別支援学校の校長から手渡された文集に書かれた夢。卒業証書とともに持ってきてくれた。誰かが「おめでとう」と声を掛けてくれた。それで十分だった。

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