2011年2月26日土曜日

寄り添い親を救う 先生たちの危機感(5)

中日新聞 
アキラ君は席にじっとしていられない。授業中に奇声を上げ、校舎内をうろつく。同級生や教員を怒鳴ったり、暴力を振るうこともあった。勉強は苦手だ。小学生のころ、発達障害と診断されていた。卒業式の日。式の後のクラス会で、アキラ君の母親が涙を流しているのに、直子先生は気づいた。かつては「あの子が憎い」と言っていた母親の温かい涙だった。その視線の先で、アキラ君は笑っていた。子どもの抱える問題は、学校だけでは解決できない。だから「教師は、親に寄り添い、ともに生きようとすることが大切だ」と直子先生は考え、家庭訪問にこだわる。

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