毎日新聞
東日本大震災で被災した旭市の74歳の女性が、ダウン症の36歳の息子と避難所で暮らしている。自分の亡き後も息子が生きていけるよう、自宅をグループホームにしようと準備を進めてきた。だが、計画はあと一歩のところで津波に打ち砕かれた。「必ず私の方が先にこの世を去る。この子はどうなるのか」。女性は途方に暮れている。「住み慣れたまちを離れるのは、この子にとって人生のすべてをやり直すに等しい。精神的負担が大きすぎる。仮設住宅に入って急場をしのぎ、この子の津波の恐怖が和らぐのを待つことしかできないのです」。芳子さんの表情に、疲労の色が濃い。「せっかく助かった命だが、みなさんに助けていただかないと自力では立ち直れません」
0 コメント:
コメントを投稿