2010年9月12日日曜日

包摂教育 障害児も地域の学校で

山陰中央新報 
島根大学法文学部准教授 加川 充浩
たとえわが子が障害を持っていたとしても、他の子と同じように地域の小中学校で学ばせたい。そう切実に願う障害児の親は、決して少なくないと思われる。「障害があっても地域で生活したい」という考え方は、戦後の障害者運動の中核にあったとも言える。しかし、こうした親(と本人)の願いが、現行の法制度には十分に反映されていない。それらの障害児は、近所の子どもたちとは異なり、自宅から比較的距離の離れた特別支援学校(盲・聾・養護学校)に通うことになる。そうではなく、障害があっても地域の小中学校に籍を置くことができるようにする。こうした原則を「インクルーシブ(包摂)教育」とよぶ。これは、2006年に国連総会で採択された障害者権利条約で提示された。

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