日本経済新聞
この書名を見て、「自分のことだ」と感じる人は少なくないだろう。著者のオリヴァー・サックスは著名な神経科医である。一般の方には『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』の作者といったほうが通じるだろう。これらの著作同様、本書でも、著者自身が診た患者や、世界各国の患者やその周辺の人々から得た実話をもとに、不思議な疾患をつぎつぎに紹介していく。雷に打たれて突如音楽に目覚めた患者の話題にはじまり、特定の音楽を聴くとけいれん発作を起こす音楽誘発性癲癇(てんかん)、音楽が認識できなくなる失音楽症、高度な楽才を発揮するサヴァン症候群やウィリアムズ症候群など、奇妙奇天烈なトピックが飛び出す。
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