朝日新聞
山地は少年院で広汎性発達障害のひとつであるアスペルガー症候群と診断されていた。発達障害と犯罪とが直接結びつくわけではないが、著者は障害は孤立につながるリスク要因のひとつだと考える。暴力的な父とその死、母子家庭の貧困、いじめなどの過酷な成育歴がていねいな取材から浮かび上がる。人間関係が作れずに孤立していく山地は大人たちに相談を持ちかけているのだが、彼らはそのSOSの深刻さを、十分に理解し受け止めることはできなかった。
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